2012年3月13日火曜日

南の風

沖縄から荷物が届いた。
届け主は大学の同級生。

結婚したというので
大学時代の友達と一緒に
お祝いを贈り、その内祝いだった。

彼女は今、日本中に劇場を持つ
某有名劇団の照明のチーフをしている。

東京に家がありながらも
1年の3分の2をツアー公演に出て
日本中を動きまくっている彼女には
ほとんど会うことができない。

1年に1度も会っていない。

気まぐれに、今どこにいるの? とメールしたら
九州にいたり
静岡にいたり
関西にいたりと、
とにかく東京にはいない。

別にそれが普通で
たまに、東京にいるタイミングと
私が暇なタイミングがかちあうと
会うのだけど
お互い久々すぎて
前回会った時に何を話したか思い出せなくて
どれくらい、会ってなかったっけ? というところからはじめる。

でも、話し出すと話は尽きず
何かを食べながらずーっと話をしている。

そういうのは
大学時代から変わらない。

私は彼女と初めて出会った時のことを
なぜか、すごくよく覚えている。

抜きすぎた金髪のような茶髪が
彼女のくっきりとした目鼻立ちを引き立てて
生粋の日本人なのにハーフのように見せていた。

ピンクのセーターを着ていて
顔が少し赤くて
いろんな色が混じっているなぁ、という記憶。

その後、彼女とあと2人の同級生と一緒に
一軒家で四人暮らしを始めたので
なんだか、ずっと一緒にいた、という印象だ。

そんな彼女から届いた沖縄からの贈り物。
彼女は新婚なのに2ヶ月くらい沖縄にいたはず。
そしてなぜか北海道にいる私。

それだけで、なんか、ちょっと面白い。

同じ日本なのに
感じている空気が全然違うことが
よくわかる。

だって
彼女から届いた贈り物は海を思わせるブルーの琉球グラスに
青い海の写真のカード。

完全に違う。

沖縄タイムズ、という新聞に包まれたグラスを出しながら
もっと面白くなってきて
1人で笑いが込み上げてきた。

贈り物一つで
相手が今、何を感じているかってわかるんだな。
心そのものなんだ。

口元にあたる厚みがまた
不思議な感じだ。

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