2012年5月9日水曜日

締めくくりの街

日本最北端の地、稚内にいる。
まさか、こんな遠くまで来ることになるとは思ってもみなかった。

海の向こうはロシア。
街ではロシア語の看板も見かけた。

来る前にどんな雰囲気なのか
全く想像がついていなかった最北の地は
とにかく寒い。

せっかく札幌で春を迎えたのに
こちらは桜の開花もまだの様子。

一度はずしたのに
モッズコートの裏地に毛を装着して
もう着ないと思っていたのに、再びニットに袖をとおした。

それでも、
この北の地で出会う人々の暖かさや
とってもチャーミングな笑顔や
吹きつける冷たい風も吹き飛ぶくらいの絶景などに完全に心を奪われた。

そんな二日間。
最終日の夜の締めくくりに
一軒のラウンジを訪れた。

そこには、アイロンがきっちりとかけられた白いシャツに
蝶ネクタイ、黒いベストを着たマスターがいた。

ゆるやかに時が流れているような空間で
マスターがふる
シェイカーの音がリズムを刻む。

出されるカクテルは全て美味しい。

贅沢な時間に
完全なるご機嫌さんになった私。

最後のお酒を頼んだ時に
マスターが作ってくれたカクテルは
白いすっきりとした色で
「ダスヴィダーニア」という名前だった。

ロシア語で
「さようなら。また会いましょう」
という意味だとマスターが微笑んだ。

明日、札幌に戻り
明後日、東京に戻る。

10日後に再び
仕事で札幌に戻るとは言え
一度、海を渡る。

約3ヶ月の北海道の生活が
ひとまず終わりを告げようとしているのだなぁと実感した。

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